つばさの話②

妊娠15週でお腹の中から出て行ったつばさ。
まだ性別は不明との事だったけど、私は男の子だったって確信してる。

それには理由があって。
流産から2ヶ月が過ぎた頃に、すごく印象に残る夢を見たから。

夢の中で、私は「あの赤ちゃんは私の子だ。探さなきゃ…探さなきゃ…」って必死に赤ちゃんを探してる。
そして、1人でハイハイしながらお母さんを探してる赤ちゃんをようやく見つける。
「やっと見つけた…」と、抱き上げると
パーッと黄金に輝く背景の中で、すごく嬉しそうな顔でにこーっと笑う。
っていう夢。

その赤ちゃんは、男の子で。
1人目の息子にとてもよく似た顔をしてた。

あの子はきっとつばさだった。
あの時に、空へと帰っていったんだと思う。

その頃私は職業訓練に通っていて。毎日1人1人順番に自由なテーマでスピーチがあった。
私が不思議な夢を見たその日。
私の後ろの席の方がスピーチで語り始めたこと。
それは
「子供は空の上からお母さんを見ていて、お母さんを選んで産まれてくる」
という話。
つばさからのメッセージだと思った。
「分かったよ。よく私の元に来てくれたね。ありがとう。」
そう思いながら涙を堪えきれなかった。